サードプレイスとケアについて考えてみたい。
サードプレイスとは何か。
職場、家庭以外で自分が安心していられる第3の場所。
ひとと繋がることができる場所。職場と家庭での人間以外での紐帯。
サードプレイスは悩んでいる人をピックアップし、助けを行うケアの実践に重要な場所である。
住宅街はほぼ住む場所しかないモノトーンなので、性質も様々である人々にとっては選択肢が少ない。
住宅は一種の無法地帯である。
家族の愛だという名目で、歪んだ正義を振りかざされる場所になりうる。
外部の人がそれをチェックすることが厳しい。囲いがある。立体的な家という構造と、家族という囲いに守られ、外部からのチェック修正が厳しい。
児童相談所などの介入へ持っていくことが難しい。
介入ケースになっているのは、氷山の一角であると考えられる。
虐待、ヤングケアラーなどで悩みつつも、表沙汰になっていることは少ないのである。
家庭を取り巻く環境で悩んでいるのであれば、相談窓口にいったらよいではないかと思われる人もいると思う。
たしかに役所のホームページなどでこころの相談窓口などは掲載されている。
しかし考えてみてほしい。しんどいときに、相談窓口へ悩みを打ち明けることは、結構大変なことではないだろうか。
「たかがこんなことで相談していいのだろうか」「他の家族もこれくらい頑張っているだろうし・・・」「病院への受診を指示されて、お金がかかったりしたらいやだな・・・・」
健康相談窓口は、心理的ハードルが高い。壁がある。
だから、大事なのは
①適切なタイミングで適切な人(困っている人)に情報を届けること
②住民が気軽に集まることのできるサードプレイスづくり
上記と考える。
良質なサードプレイスから健康問題を抽出し、ケアにつなげる。
たとえば兵庫県豊岡市のだいかい文庫1)https://carekura.com/daikaibunko/の取り組みがある。
地域の商店街の中に図書館をつくり、屋台カフェで街中に出張する。
地域の人が気軽に集まれる、たまれる場所をつくる。
そのようなリラックスできる社交場では、交流しているうちにふと困っていることの話題が出ることがある。
相談窓口はハードルが高い。まず気軽にあつまれ、滞在できる場所が重要なのである。
まとめ
・家庭は問題があっても修正の目が届きにくい場所である
・公的な相談窓口はハードルが高い
・良質な人が集まるサードプレイスは、ケアの実践の場になりうる
最近私がまちづくりに興味があるのは、上記の点にある。
社会的孤立を防ぎ、改善する社会的処方の実践には、まちづくりの視点が必須なのである。
これからも、学んでいきたい。